浜辺の落書き

思いつきで更新していきます。浜辺の落書きのようなものなのでお手柔らかにお願いします。

旅行者が被災者になった話 -停電中の過ごし方-

 相変わらずブログを全然書いていないしずなみです。おはこんばんにちナマステ。

 5日間うんこを我慢した後の排便レベルに書きたい記事が詰まりに詰まっているので、ここで出しちゃいましょう。


 先日は
4zna3.hatenablog.com
と言った感じに、だいぶ頭の悪い記事を書きましたが、今回は真面目に書こうと思います。新潟方面での地震発生による自粛モードなどではなく、単にこれといって面白い内容が書けないってだけです。9か月も前の出来事だったので、書く内容を忘れちゃったんです。下書きに半年間も温めておくなよって話ですね!
 大事な部分は「地震で困ったことと、その対策(この記事のメイン)」に書いてあるので、被災者の方々はご参考までに。

悲劇の始まり

 さて、では本筋に入ることにいたしましょう。
 改めて、今から約9か月前の話です。私は在来線のみで千葉県の自宅から函館まで行く旅行を計画しておりました。
 盛岡あたりまではよかったのですが、盛岡を出たあたりで東京方面に異変が。台風が接近したのです。東京がどんなに被害を受けようと、こちらは東北に逃避中。花輪線のローカル電車に乗りながら、嘲笑うようにちんたら北上しておりました。Twitterのタイムラインがやたら騒がしい一方で、秋にさしかかろうとする晴れ空の下、暇で暇で仕方なくて自撮り大会をする自分。光と影が同じ空間に存在しているようで、少し不思議な気分でもありました。
 


 そんな穏やかなひとときも束の間。その晩のことです。青森に到着した私に台風が襲いかかります。
 


 呑気ですね。これが悲劇の始まりだとは、まだ誰も気づいていません。


 翌朝
 

 乗船予定だった大間函館間のフェリーは無事に全便欠航。青森函館間のフェリーもダイヤが完全に崩壊しました。
 ダイヤがないということは、時間を考えて行動できないということ。私は「時間を考えて行動できないということは、時間を考える必要がないのでは!?!?」と考え、三内丸山遺跡に行ったり、浅虫温泉でマグロを食ったり、酸ヶ湯に行ったり……一日で青森満喫コースを敢行しました。
 酸ヶ湯から上がったところで、友人のソラシドくんから「函館着いた」との連絡が。彼はヨーロッパ旅行の帰りに函館に来たのですが、まさか東京から来てる人のほうがダイヤが読めないとは思いませんでした。とりあえず急いでレンタカーを青森まで走らせます。



 青森駅近辺で道に迷うなどした結果、青森港に到着したのは18時15分頃。青森駅から青森港って遠いんですね。
 フェリー乗り場でチケットを買います。
 「アッ……フェリーの次の時間は……?」
 「20時40分」
 「アッ!(絶望)」
 ソラシドくんと一緒に夕飯を食べたかったのですが、どうやら不可能なようです。とはいえ翌日も夕飯は食べれますし、まだチャンスはあります。


 なお、Twitterを見ると、18時頃に出航したとの情報が。この時ばかりは自分の無計画さを悔やみました。なぜ人は、自分に限っては大丈夫だと思うのだろうか……。もちろんまた同じ失敗をするので、悔やみ損とも言えます。
 港周辺にはレストランなどという逸な施設はありません。晩飯コンビニでポテチ買って済ませました。532円。オトク!
 はぁ……。



 20時30分すぎ、青函フェリーは出航。雨後の津軽海峡を注意深く進みます。台風一過だからといって侮るなかれ。海はまだ激しく荒れています。まさに想像通りの津軽海峡。運が良いのか悪いのか。こんなところで予想通りポイントを稼がないでほしい。



 函館には1時すぎに到着。遅すぎるので、ホテルに電話。

 「アッ……函館港に着いたんですケド、時間かかりそうでつすみません……。アッ……歩いてそちらまで行きます」
 「あ、歩いてぇ!?!?!?!?」
 そんなに驚かなくてもいいじゃない……。
 「バ、バスもないんでがんばりまつ」
 「遠いですよ。気をつけてください」

 地図を確認すると、函館駅近くのホテルまでは約4キロ。疲れた体にこれは無理。函館港から函館駅まで歩いて行けるというツイートを鵜呑みにしたのが馬鹿でした。私は体が真っ二つになってもあのフォロワーを許しません。

 歩いて函館駅に向かおうとすると、さすがに街灯も少なく真っ暗です。水たまりに足をぶち込む、真っ暗な街が怖い、周りが魚臭いなどの苦難が襲いかかります。

 ホテルの人を待たせるのも申し訳ないですし、さすがの私も耐えかねて、流しのタクシーに乗ることに。ただ、ほとんどのタクシーは駅の反対方向に向かいます。めげずに手を挙げ続けると、奇跡的に折り返して乗せてくれるタクシーが。1時40分頃にタクシー乗車、10分弱でホテルに到着しました。

 風呂に入りながら服を洗濯。風呂から上がったら、服を乾燥機に移し、乾くまで晩酌を行うことにしました。ふんわり鏡月飲み放題に大興奮。これまでの疲れを酒で癒そうとなるのは、人間の性分ってもんです。夜中の3時でもそれはやめられません。

 存外筆が乗ってしまったので長くなってしまったのですが、ここまでが導入です。本当に必要なのはここからです。みなさんのお役に立てると思います。


地震発生

 乾燥機にスイッチを入れたあと、私はいつものように「遊佐こずえ」とTwitterで検索をかけていました。


 乾燥開始からわずか20分後、急に部屋の明かりが消えます。非常灯がつきました。月のように、丑三つ時のロビーを弱々しく照らします。
 停電です。何が起こったのでしょうか。台風が過ぎたとはいえまだ風が強いですし、これのせいでしょう。


 1,2秒後、スマホが振動しました。このスマホは、常にサイレントマナーモードにしてあります。普通は絶対に震えません。画面には「地震警報」

 まさか。
 誤報だろう。
 ここで変に行動を起こすのはバカバカしい。


 2回目のバイブレーション。

 待てよ?
 なんで電気が消えてんだ?
 周りには大量の酒瓶があるぞ!

 もう余裕はありません。これは間違いなく非常事態。地震が来なくてもいいので、自分の身を守る行動が最優先です。


 3回目のバイブレーション。

 椅子を素早く引きます。何よりも速さが最優先。
 全身を机の下に。とにかく急いで滑り込ませます。
 机の脚も握ります。


 直後。

 やっばり来ました。

 当たり前ですが、未知の土地で被災すると恐怖が数倍に増します。しかも室内でこれほどの地震を経験したのが初めてなので、なおさら恐ろしく感じました。Twitterを見て恐怖を和らげることしかできません。
 しかし、瓶が倒れない程度の地震です。強めではありましたが、大災害というレベルではありません。すぐに落ち着きを取り戻しました。

 Twitterを見ていると、何が起きているのか徐々に明らかになってきました。
 「稚内は停電中」
 「根室も停電している」
 「札幌もダメだ」
 とある人が「北海道全域がダメなのでは?」という推測を立てました。夜中なので、停電状態がどのようになっているのかは情報が集まっていません。

 4時。特務機関NERV(@UN_NERV)に停電情報が寄せられているのを発見しました。私もすかさずリプライ。リプ欄を見て絶望しました。北海道全域の市区町村名が連なっています。



 全道停電です。


 まずいことになりました。
 ソラシドくんとの夕飯チャレンジも、失敗が確定しました。


地震で困ったことと、その対策(この記事のメイン)

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全便運休を知らせるホワイトボードの数々

 震災の翌朝、徐々に被害状況が明らかになってきました。
 震源地近くは山崩れが発生するなど、大変な状況でした。
 一方で函館市内は、特に落下物や道路陥没などもなく、停電していたことを除いて至って普通でした。

 以上の状態を踏まえた上で、何が困ったのかをお話しましょう。旅行先でも自宅でも活用できるはずです。

電気

 まず、全道停電ということで、電気が足りません。青函フェリーでモバイルバッテリーを充電しておくべきでした。モバイルバッテリーはどれだけあっても困りません。
 もちろんいつ「その日」が来るかは分からないので、普段からたくさん持ち歩くのがいいと思います。私は普段から三日分のバッテリーを持ち歩いています。少し重いですが、日頃の備えだと思えば……。
 家に発電機を用意するのも一つの手です。あるのとないのとでは心の余裕が大違いです。

食料

 大地震の翌日は、当然コンビニなども営業しません。
 私は「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地巡礼をするために函館に来ていたのですが、舞台となった喫茶店「菊泉」も閉店していてがっかりした記憶があります。震災当日は木曜日で、菊泉の定休日なので当然です。皆さんも定休日には気をつけましょう。定休日じゃなくても災害で閉店することもありますけどね!
 マクドナルドの無料券をホテルからもらったのですが、全店閉店していたので大変ショックを受けました。当時の函館市街地付近では、セイコーマートですら営業休止を強いられていました。幸運にも開いている店舗を見つけたとしても、中は超混雑状態。しかも食料は美味しいものから品切れになりがちです。

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被災者が押し寄せ混雑するコンビニエンスストア。おにぎりやカップ麺は売切れている

 そんな時にもパニックを起こさないように、食料を事前に準備した方がよいと思われます。
 用意するにしろ、被災後に購入するにしろ、食料はあまりかさばらないものがいいです。
 用意するのであれば、おすすめなのはアルファ米。ホームセンターの非常食コーナーなどに置いてあります。体積の割におなかいっぱい食べられるので、旅行先でも重宝します。単価が高いのでコストはかかりますが、毎月少しずつ買っておくのもアリだと思われます。
 被災後に購入するなら、やはりカップ麺や缶詰です。袋麺でもいいかもしれません。1,2日間分の食料ということであれば、おにぎりがいいでしょう。次点でパンです。お腹を満たせるものの方がいいです。私は袋入りポテトチップスを買いましたが、かさばるうえに軽すぎます。これを買うのだけは絶対やめましょう。筒状の紙箱に入っているものなら悪くないと思いますが。
 カップ麺、缶詰、おにぎり、パンはみんなが欲しがる食料です。これらが先になくなります。缶詰は残っている場合もありますが、きっとあなたの知らない味の缶詰でしょう。私が被災時に購入した缶詰は、謎の味でした。めちゃくちゃ辛くて食えたもんじゃありませんでした。ただ、こういう激辛系のグッズは罰ゲームなどに使えますし、暗い雰囲気の被災地を明るくするにはいいかもしれません。

 水の確保は大切ですが、飲用水に関してはそこまで苦労しませんでした。
 それ以上に大変だったのはトイレの水。停電でポンプが稼働しないので、上の階は水が流れません。
 うんこしたい時は、ちゃんと水が流れるトイレを探しましょう。
 また、停電すると下水のポンプが止まってしまうため、うんこを流しすぎると下水が溢れる恐れもあるようです。水を流すのは控えめにしましょう。

交通機関

 日本の陸上交通機関は、電気に依存しています。電車はもちろん、バスやタクシーだってそうです。停電したら、信号機だって動きませんからね。節電のため、重要だと判断された交差点のみ信号が稼働します。重要度には何段階かあるようで、電気の供給度合いによって点灯する信号は増減します。
 私が函館にいた際も、初日はバスですら全便運休でした。2日目は信号が最低限復活したので、バスは運行されていました。ただし、路面電車はどちらも全便運休でした。鉄道は脱線の可能性があるため、どうしても地震には弱くなりがちです。
 となると、陸上交通機関で頼れるのがレンタカーとタクシーくらいしか残らないのではないでしょうか。
 船と飛行機は、路盤の状況の如何を問わず運行できるので、基本的に鉄道やバスよりは強いです。両者とも震災の翌日にはほぼほぼ元通りでした。
 

情報

 電気が制限されていたので、電波が飛んでいない場所もかなりありました。通信ができないエリアにいた場合、何も情報が入ってこないのが辛かったです。まあ節電のため、ほぼほぼスマホを使うような真似をしなかったわけですが。
 乾電池式の小さめのラジオくらいなら持っておいても損は無いかと思います。

決済システム

 電気がないと、決済システムにも影響が出てきます。現金以外の支払い手段はないものと思ってください。
 電波が不安定なので、当然クレジットカードは使えません。
 インターネットに接続できなくても使用可能なはずのFeliCaSuicaをはじめとした交通系ICカードなどに使われている技術)も無理です。電気がなければ基本的にレジ端末も使えず、電池式の端末を利用して売上登録を行うためです。
 どんなに過激なキャッシュレス決済主義者であろうと、非常事態に備えて常日頃から現金を1万~2万円ほど持ち歩くべきです。電気が使えなくなった人間は、皆さんが考える以上に弱いです。諦めて持ち歩きましょう。

旅行先での備え

 私は友人と一緒に函館旅行をすることになっていましたが、あろうことかホテルを別々に取っていました。なぜなら彼と私でホテルに求めるものが異なったからです。一緒に行動できなかったので、震災時は大変困りました。こういう時のために、何がなんでも同じホテルを取るようにしましょう。他のホテルのおにぎりが貰えるというメリットはありますが、最低限とはいえ飯が供給される以上、安心を取るべきだと思います。塩すらかけられていない、全くのプレーンおにぎりでも感動してしまうくらいには心が不安定になります。精神の安定は、非常事態時には大切です。


おわりに

 様々なものを書きましたが、また何か足りないことがあるかもしれません。何か質問等あればなんなりとコメントなりTwitterにリプを投げるなりしてください。
 この記事が役に立つ日が来ないのが一番ではありますが、万が一の際には役立てていただけると幸いです。