浜辺の落書き

思いつきで更新していきます。浜辺の落書きのようなものなのでお手柔らかにお願いします。

トラックボールのススメ

誰も読みたくないオタク特有の自分語りパート(文字が薄いとこはマジで読む必要なし)

 

ある日のこと、私はバスに乗りながらパソコンをいじっていました。*1ただ、いつもと操作の様子が違うようです。バスの車内でパソコンをいじっているという事実を抜きにしてもです。いったいどうしてしまったのでしょうか。

 私はかれこれ5年間、いつも下のようなマウスを使用していました。

 5ボタン&チルトホイール機能付き&Bluetoothでパソコンと接続を行うごくごく一般的なマウスです。4ボタンと5ボタンをペースト&コピーに無理やり*2割り当てて使っていました。
 
 このマウスで画像をコピペしようとしたところ、妙な違和感が出てきました。ペーストのボタンがうまくクリックできないのです。
 何度押しても、あの心地よい「カチッ」という音が鳴りません。さすがに様子がおかしいです。

 そんな私には、思い当たる節がありました。
 前日「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のアニメを見るために、2階のリビングにパソコンとマウスを持ち込んでいたのです。
 今更*3あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。を見て、鼻水と涙がアマゾン川と化した私。一緒に見ていた母親とあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。の感想を語り合うなど感動の余韻の中ではありましたが、次の予定もあるため、撤収作業を行うことにしました。

 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。の余韻に浸りすぎたのでしょうか、1階の自室にパソコンとマウスを持って帰るときにマウスの落下事故が発生。壁と階段に身を強く打った模様です。
 事故発生当時は目立った外傷はないものと思われましたが、バスの車内で死亡が確認されたのでした。あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。のメインヒロインことめんまに引き続き2年くらい付き合いのある相棒まで失ってしまうだなんて……。
 

 マウスがお亡くなりになったところでタッチパッドはあるので作業はできるのですが、マウスがあった方が作業がはかどるのは言うまでもありません。西船橋から銚子への路線バスの旅の途中ではありましたが、代わりのマウスを購入することにしました。
 ちなみに、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。をかたくなに略さず書いているのは、単にこのタイトルを無駄に書いてみたかったからってだけなので、気にしないでください






トラックボールを購入した経緯

 旅行中にマウスの破損が発覚したということで、やはり応急措置的に安価なマウスを購入しようと考えていました。しかし、「5ボタン&チルトホイール機能付き&Bluetoothでパソコンと接続を行うものはごくごく一般的なマウスだ」という私の強い信念がそれを執拗に妨げてきます。
 そのよくわからない信念に「わからせ」を食らってしまったため、仕方なくごくごく一般的なマウスを探します。暑さで目と身体が享年を迎えているにも関わらず、です。
 死力を振り絞ったにもかかわらず、そんなごくごく一般的なマウスは、なんと店内に一つもなかったのです。世の中にはこんな不思議なこともあるのですね……と思いつつどうしようか悩んでいる私の目に、すごいものが飛び込んできました。
 それが、こちらです。

 旅行中でも扱いやすい小ぶりなトラックボールです。危険な納期を切り抜けるべくバスや電車の中でパソコンをいじった人間ならわかると思うのですが、マウスって意外と使いづらいんですよね。ポインターを動かすためにはどうしてもそれなりの面積が必要になるわけです。これなら最悪膝の上でも操作できるし、かなり便利そうですよね。そう思った私は、さっそくトラックボールをレジに持っていき……


 ません。ごくごく一般的なマウスを選択するにあたって、意外と引っ掛かりがちなところはチルトホイールの有無です。Bluetoothや5ボタンといった目立つところにばかり気を取られてしまい、チルトホイールの有無の確認を忘れてしまうのはマウス購入時によくあるミスですよね?皆さんも経験しているであろうこのミスを当然私もやらかしたことがあるわけであります。二度と同じ悲劇を繰り返してはいけません。
 KY*4運動を怠ることなく行っていた私は、このトラックボールにはチルトホイールがないことに気づきました。ちゃんとエレコムのページで確認したので間違いありません。
 このトラックボール、ごくごく一般的なマウスに比べて機能面で劣る*5にもかかわらず、いつも購入しているマウスの倍近くの値段がします。これは由々しき事態です。ダメかとあきらめかけたとき、ごくごく一般的な機能を備えたマウスの存在に気づきました。

 こちらです

 amazonだとこの値段ですが、私がいるのは家電量販店。amazonほどの安価は期待できません。当然この商品も11000円以上しました(2020年08月11日現在)
 即決で買うにはなかなかのお値段です。これは悩みます。ただし、このトラックボールは私の欲しい機能をすべて取り揃えているどころか、完全上位互換です。いつものよりボタンが3つ多いのですから。
 しかも3年保証という、この手の商品にしては手厚い保証がついています。高耐久のボタンを使用しているとのことなので、チャタリング*6に至るまでの期間もきっと長いのでしょう。

 長く使えば実質価格は同じなのです。この驚愕の事実に気づいてしまった以上、もうレジに持っていくしかありません。30~45分という、優柔不断オタクにしては素早すぎる速さで購入に至りました。




ハイエンドトラックボールを使用してみた第一印象

 高い金を払った割にはクッソ使いづらいと思いました。
 これはあくまでも個人の感想です。最初から意外と使いやすいと思う方もいらっしゃると思います。ただ、私は残念ながらその立場の人間ではありません。

 でも決して安いとはいえない買い物をしたわけです。こんなことで使用するのをやめていては、お金がいくらあっても足りません。この手の商品は挫折してメルカリに放出する人も多く、供給過多です。中古市場では高価買取も望めません。ちょっと話は外れますが、逆に言えばその手の市場ならトラックボールが安価で手に入ります。Bluetoothのキーボードなんかもそんな感じなので、皆さんぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか。

 値段が高く、売っても金にならないのであれば、これはもう意地でも努力するしかありません。ここから数日間、このハイエンドじゃじゃ馬を飼いならす日々が続きます。




地道な調教作業

 トラックボールはなぜ使いにくかったのでしょうか。それは、細かい作業がやりにくいところです。構造上、どうしてもこれは避けられないのです。

 皆さんのイメージしやすいように申し上げますと、トラックボールを使用するということは、デカい氷を指定の位置まで押す作業に近いです。

 物に対して最も摩擦力が働くのは、物が静止しているとき*7です。静止しているものを動かすときには大きな力が必要です。デカい氷を動かすときもこれは同様です。
 しかし、万物には慣性の法則があり、一回動かし続けたら止める力が働くまでは無限に進み続けます*8デカい氷は摩擦が小さいため、ちょっと力の加減を間違えると全然違う方向まで動いてしまいます。
 トラックボールのボールも大体似たような感じです。目的の場所まで動かそうとすると、摩擦と慣性に邪魔されます。目的地点を通り過ぎてしまうのです。インターネット閲覧などの特に細かいポインタ操作が求められない場合ならいいのですが、画像編集などを行うときにはものすごくイライラします。

 じゃあどうしたらいいのでしょうか。
 お手軽な解決策としては、amazonなどで替えのボールを買うことでしょうか。ボールは純正のものでも他メーカーのものでもいいです。ボールを変えるだけで、じゃじゃ馬だったトラックボールくんが、吠え癖持ちチワワくらいには言うことを聞いてくれるようになります。だったらメーカーは最初からあんなボール使うなよって思わなくもないですが、まあ使えるようになったのでヨシ!です。最初からあるボールって、なんか軽すぎて明後日の方向まで動いちゃうんですよね。

 もっといい解決策があります。マウスポインタの速度を変更することです。私が購入したトラックボールについては、付属のソフトウェアにマウスポインタの速度変更の機能がついていたので、そちらを使用しました。
 付属のソフトウェアのないトラックボールを買ってしまった方は、Windowsの設定からポインタの速度を変更してください。
 ポインタの速度は速すぎても遅すぎてもいけません。速すぎると先述の通り細かい作業ができませんし、遅すぎるとポインタを長距離動かすのが苦痛です、自分に合った速度を設定してください。
 ただ、ポインタの速度は案外遅めでいいんじゃないかなと思います。ポインタを長距離動かしたいときはボールをシャーーーッ!!!と転がせばいいだけなので。自分は下から3、4番目に設定しています。

 これでもなお、細かい作業をするには正直厳しいです。ポインタを楽に長距離動かすのと、細かい作業をストレスフリーで行うのは、矛盾した要求です。
 この矛盾を解決する方法については、結構悩みました。私の購入したトラックボールはハイエンド機ということになっているので、DPI変更機能くらいはあります。他の製品だとそのボタンが背面にあることも多いのですが、私のトラックボールはDPI変更ボタンが裏面にあるのです。速度を変えるためにいちいちマウスをひっくり返して押すのはさすがに面倒が過ぎます。そこで私は「このトラックボールは8つもボタンがあるんだから、どっか一つをマウスポインタの速度変更に割り当てられないか?」と考えました。

 しかし、製品に付属しているソフトウェアには、そのような設定項目はありません。そもそもマウスポインタの速度変更を行えるショートカットキー操作がまずなさそうです。
 どうにか対応できないかと思考を巡らせているうちに、このようなものを発見しました。
forest.watch.impress.co.jp

 これ、本当に私にとっては革命ですよ!!!!特定のキーを押下すると、ポインタの速度がめちゃくちゃに遅くなる機能がついているんです!!!
 ちなみに私はこのソフトウェアを導入後、ScrollLockランプが点灯中にポインタがクッソ遅くなるように設定しました。私のパソコンは小さめなのでScrollLockキーなんてありません。代わりにマウスの薬指のボタンをScrollLockキー+Ctrlに割り当てました。たまにWheelPlus君が言うこと聞いてくれないこともありますが、その時はだいたいこのソフトウェアの再初期化をすれば解決します。再初期化の方法についてはググってください。
ここまで設定すれば、こいつはまな板の上の鯉同然。素早い異動から細かい作業まで、自分の意のままにポインタを動かせるようになりました。





トラックボールはいいぞ

 このように数々の試練を乗り越えて2週間ほどたったころ。仕事柄マウスを使用することがあるのですが、その頃には既にマウスには戻れない体になっていてびっくりしました。手首を動かしたりマウスを持ち上げたりする行為がめんどくさくなってしまったのです。
 しかもポインタ操作しているのはあくまでもボールなため、布団の上だろうが空中だろうがどこでもパソコンを操作できてしまいます。布団の中でパソコンをいじりがちな不健康オタクには大変ありがたい仕様です。
 また、このトラックボールは接続方法が色々あります。有線・無線(レシーバ使用)・Bluetoothです。つまりこれは、接続方法を切り替えることで、実質的に複数端末に対応が可能ということです。これはさすがに盲点でしたが、スイッチを切り替えると、マウスを持ち替えることなく2台のパソコンをいじれるのです。これはいろんなマウスでも対応していることでしょうし、逆にトラックボールの中ではハイエンド機しか対応していない機能だとは思いますが、いじってみて感動したのでご紹介しました。

 安くない買い物ではありましたが、様々に手を加えることで自分の使いやすいようにカスタマイズできたのは大変良かったです。
 私は今後このマウスを階段から落としてお釈迦にしてしまっても、また同じのを買いたいと思うくらいにはいい商品でした。

 皆さんもトラックボールを買う前にはきちんと機能について調べ、買った後には泥臭い努力をしながら自分に合った設定を探ってみてはいかがでしょうか。

*1:とある大変な途中下車シリーズの合作の動画を作っていたため。諸事情により何に参加したかは非公開なので自分で探してください。どうでもいい脚注をつけるなって?すみません……。

*2:この価格帯のマウスにありがちな割り当て機能が載っていないやつだったので、x-mouse button controlというソフトを使用していました

*3:もうあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。が放送されてから10年近くたつんですね……

*4:危険予知

*5:そもそも小さいのを売りにした商品に多機能を求めてはいけないので、この文章はナンセンス

*6:マウスのボタンが劣化しクリックがうまくいかなくなるなどの症状が出ること

*7:物理には明るくないので正確にはどうかは知りません。違ったら指摘お願いします

*8:物理学的に正確な表現ではないことは承知していますが、許してください